2004年03月09日

漂流教室(楳図 かずお)
[ 種々雑多]

Yahoo オークションで昔、どこかの待合室、歯医者か床屋か。。で読んだマンガ雑誌で最初を最後もわからず、何となく読んで気になっていた「漂流教室」を全11巻購入した。覚えているのは、子供たちが学校で手術をしなくてはならず、麻酔にたばこのニコチンがどうのこうのというシーンがなぜか数十年たっても記憶していた。そのシーンは後半の巻で出てきた。
この「漂流教室」は、大林宣彦の映画や、また最近のTVドラマの原作ということになる用であるが、両方とも興味なくみていない。「楳図 かずお」のあの恐ろしい雰囲気がなぜ、TVドラマになるのかなんとなくピントこなかった。しかし、実はこのマンガをきちんと読んでいないので、本当のところどんな作品なのか理解していなかった。子供の頃みた、絵の印象で恐ろしいマンガと思いこんでいた。

今回念願が叶い全巻購入し読むことができた。
単なる子供向けの恐怖マンガではないと言うことがわかりました。
たしかにこの内容はドラマにも映画にもなるのではないかと実感しました。

・小学校の空間(建物、校庭、鳥、ウサギ、車数台、プール、先生:おとな 小学生:いろいろな年のこども ひとのいい給食配達人)
・未来に飛ばされた。
・未来は、一切なにもない砂漠のような環境

このシュチュエーションで人間はどうなるのか、そして自分たちのみている世界はなんなのかとい壮大なテーマで話は進むわけです。子供向けの単なるおどろどろしい恐怖マンガではなかった。

・現実を理解できない、理解しようとしない先生:大人。そして、その大人は気が狂って最初に自滅。
・人のいいはずの配達人が実は生きていくためのごまかしで、豹変し自己中心の人間、王様になろうとする。だが、こいつも現実が理解しようとせず、アメリカが助けに来てくれると言い続ける。
・子供たち、小学生という大変すばらしい設定です。1年生はまだものごとを理解できないおばけも、怪獣も、なんでもあり信じてる。小学校の5年生、6年生ともなれば知識もあり、自分からどんどん考えられる。でも、大人のように頭も固くなく、柔軟に考えられる。

大人は自滅し、子供たちだけでどうやって生きていくか、もめ事、病気、食料、そして外からの危険そして自分たちは今どこにいるのか、これからどうしたらいいのかという究極の超限界の世界での物語です。

この作品がかかれた時代、日本、世界はすごい勢いで発展し、カラーテレビも、車も、そして宇宙へも進出し、イケイケの時代。しかしこのままいくと未来は実はどうなるのか、環境が破壊され人工的世界の先はどうなるのかということも描かれています。

また、どこへ行ったかわからない子供が生きていると信じる母親、父親では母親です。ただ一人信じる母親が、未来へ飛ばされた子供を救う。

一度読んでみる価値のある話だと思います。

投稿者 heididorf : AM